機能性とは?ガイドラインに基づき登録される機能性表示食品制度では臨床試験が必要?

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2015年の4月からスタートした比較的新しい制度に機能性表示食品制度があります。この名称に使用されている言葉を見ると、健康に良さそうな食品ということは何となくイメージできるかもしれませんが、深く理解しておくことで今後の生活にも非常に役に立ちます。

また、一般的にトクホとよばれる特定保健用食品とはどのような違いがあるかも知っておくと良いでしょう。

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機能性を表示することができる食品

トクホといわれる特定保健用食品のほかに、栄養機能食品、機能性表示食品だけが機能性を表示することが許可されていますが、この3種類以外の食品には表示することは許されていません。ある食品をこの3種類のいずれかとして市場に出したい場合は許認可されるか届け出をすることが必要で、ある程度の時間や費用がかかることを考慮しても機能性を表示できるメリットは大きいといえます。

そもそも機能性とは?

食品の機能性とは、その食品を摂取することで人間の体に与える何らかの効果のことであり、その種類は大きく3つに分類されていて、これを食品の3大機能といいます。そのうちの1つめは栄養機能とよばれる1次機能で、3大機能の中でも最も基本的な機能です。

ヒトの体を作ってエネルギーになり、成長過程や健康の維持に必要な炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素の働きがこれにあたります。2つめは食品のおいしさに関する感覚や嗜好機能といわれる2次機能です。

甘味、酸味、塩味、苦味、うま味などの味覚の他にも、香りや見た目の色、歯ごたえなどもこれに含まれます。食品は、栄養価ばかりを重視して味などを伴わない場合は受け入れがたくなるため、大事な機能だといえます。また、変色を見分けたり、腐敗のときの匂いを感じ取るなどの重要な役割も担っています。

3つめは生体調節機能とよばれる3次機能です。その食品中に含まれる成分が摂取されたときに、体内の各システムを調整する機能のことで健康維持や病気の予防などに関与し、大きく6つに分類されます。循環系では血圧を調整し、神経系はストレスの軽減、細胞分化増殖系では成長を促進させ、生体防御免疫系では免疫力を高めてガン細胞を抑制し、内分泌系ではホルモンの分泌を促し、消化系では消化酵素の分泌量の調整を行う働きがあります。

食品の3大機能のうち最も大事なものは?

食品の3大機能はすべて大事ですが、どれが最も大事かはその人の住む国や地域、各個人が置かれている状況などによっても違うため、一概にはいえません。毎日の食事も満足に確保することができないくらい貧しい国や地域では、まずは生きていくために必要な栄養素を摂取することが必要なため、1次機能が最も重要になります。

日本のように食事の心配をすることもないくらい恵まれた国では、平均寿命が延びるいっぽうで高齢化に伴う生活習慣病などの問題が出始めました。そのような国や地域では、健康意識の高まりなどから3次機能に注目が集まっています。

保健機能食品制度が開始された時代背景と機能性表示食品制度の追加

保健機能食品制度は2001年から開始された制度ですが、その時代背景には規制緩和として食品と薬品の区分が見直されたことがあります。その結果、それまでは医薬品として使用されてきたビタミンやミネラルなどが食品としても流通されることになり、錠剤やカプセルなどの健康食品も市販されるようになりました。

そのような食品が持つ機能性を表示することによって、一般消費者でも自分に必要な食品を正しく判断して購入することができるようになり、国民の健康意識を高めることが期待できるようになったのです。それから14年後の2015年には機能性表示食品制度が加わりましたが、その2年前の2013年には当時の総理が規制改革演説の中で、トクホの認定には時間も費用もかかるため、中小企業には不利だと言っています。

実際に有効性ヒト臨床試験にかかる費用も、特定保健用食品では1,000万円から3,000万円だったのが機能性表示食品では500万円から3,000万円くらいになり、安全性ヒト臨床試験では400万円から700万円くらいかかっていた費用が300万円から400万円程度で行えるようになったというデータがあります。

その他にも、試験開始から受理までの期間が1年半から3年程度必要だったものが半年から1年程度で行えるようになり、特定保健用食品には必要な申請も、機能性表示食品では届出で済むようになったのも大きいといえるでしょう。

機能性表示を取得するための6つのステップと必要な臨床試験

機能性表示食品はごく一部の食品を除いて、生鮮なども含めたほぼ全ての食品が対象になりますが、取得するためにはガイドラインに従って一定のステップを踏むことが必要です。まず機能性表示食品の対象になる食品かどうかを判断し、安全性の根拠を明確にします。

次に生産や製造および品質の管理体制を整え、健康被害の情報収集体制を整えます。それから機能性の根拠を明確にして適切に表示します。機能性表示食品として登録するためには臨床試験がありますが、その臨床試験は最終製品を用いてヒトを対象としていることが必要です。

その試験は介入試験で、特定の成分や食品を摂取することによって、ヒトの健康状態などにどのような影響を与えるかなどを評価します。また、最終製品での臨床試験を行わない場合は研究レビューを用いることになります。

研究レビューは、最終製品や製品の中に含まれる成分についての研究論文が登録されているデータベースを使用して行われますが、レビューの実施者があらかじめ設定しておいた方法で論文を抽出します。このときに、肯定的な論文のみを抽出することは禁止されています。

研究レビューを用いた場合は、最終製品での臨床試験を行ったときにくらべてかかる費用が安くなり、届出までの期間も短くなるというメリットがあります。臨床試験を行わずに研究レビューのみだと不安に思うかもしれませんが、レビューする論文の中にはヒトを対象とした臨床試験や観察研究などの結果も含まれ、学内発表の内容のみでは不可などの一定のルールが課せられているため安心です。

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これからの時代に合った機能性表示のある食品

食事は生きていくために必要なモノですが、ひとりひとりに選択する権利が与えられています。最終的には自己責任になる体調管理も機能性が表示された食品の登場によって行いやすくなり、個人の負担も減ってきているといえます。

これからの人生100年時代を1日でも多く笑顔で過ごすために自分に必要な機能をよく見極め、健康を意識した食生活を心がけましょう。